SPLAMILU BLOG ソラミルブログ

2026年9月1日
中小企業のBCP策定、最初の1ページに書くべきこと

「BCP(事業継続計画)を作らなきゃ」と思っても、分厚い計画書を前に、どこから手をつけるか分からず止まってしまう——中小企業ではよくあることです。ですが、BCPはまず「1ページ」から始めれば十分です。大切なのは、最初の1ページにいざというとき本当に必要なことだけを書くこと。この記事では、その1ページに書くべき5つのことを、中小企業向けに解説します。

分厚い計画より、「1ページ」から始める

BCPは、立派な計画書を作ることより、「1ページ」から始めて、続けることのほうが大切です。多くの中小企業がBCPで挫折するのは、最初から完璧を目指してしまうからです(挫折の理由は「中小企業のBCP対策、なぜ進まないのか?」で解説しています)。

いざ災害や障害が起きたとき、分厚いファイルを開いて読み込む余裕はありません。必要なのは、「何を守り、誰が動き、まず何をするか」が一目で分かる1枚です。そこから始めて、少しずつ厚くしていけば十分です。BCP全体の進め方は「BCP対策とは?中小企業が今すぐ取り組むべき5つのステップ」もあわせてどうぞ。

分厚い計画書より、まず1ページ 分厚い計画書=作るのに時間・途中で止まる/1ページ=すぐ作れて、いざ動ける。 「完璧な計画書」より「動ける1枚」 分厚い計画書=途中で止まる 1ページ=すぐ作れて、動ける
図:まず1枚。完璧を目指すより、いざというとき開いて動けることが大事

最初の1ページに書くべき、5つのこと

その1ページには、次の5つを書きます。難しい様式は要りません。この5つがそろっていれば、いざというときに動ける「わが社のBCP(1ページ版)」になります。

1ページBCPの構成イメージ 1枚に、目的と中核事業/想定リスク/発動と初動/連絡と体制/重要な資源とバックアップの5ブロック。 わが社のBCP(1ページ) 1 目的と、守る「中核事業」を1つ 2 自社に起きやすい「想定リスク」 3 発動の基準と、最初の「初動」 4 連絡と体制(指揮・安否・連絡手段) 5 重要な資源とバックアップ
図:この5ブロックが1枚に収まっていれば、最初のBCPとして十分に機能する

① 目的と、守る「中核事業」を1つ決める

最初に、「何のためのBCPか」と、絶対に止めたくない中核事業を1つ書きます。中核事業とは、止まると会社への影響が最も大きい、最優先で継続・復旧すべき仕事のことです(中小企業庁の指針でも中心になる考え方です)。すべてを守ろうとせず、まず1つに絞るのが、動けるBCPの出発点です。何から絞るか迷ったら「災害時の業務継続、最小限の準備で最大の効果を出す方法」も参考になります。

② 自社に起きやすい「想定リスク」を書く

次に、自社に起こりうる事態を、思いつく範囲で書き出します。地震・水害・停電・感染症に加え、通信やシステムの障害、取引先の停止も中小企業には現実的なリスクです。近年は南海トラフ地震臨時情報のように「いつ来てもおかしくない」前提での備えも求められています。回線が止まる事態は「光回線が止まった時、業務はどう守るか?」、取引先に巻き込まれるリスクは「取引先が止まると、自社も止まる」で詳しく触れています。

③ 発動の基準と、最初の「初動」を決める

「どうなったらBCPを発動するか」と、発動後の最初の数時間でやることを書きます。「震度○以上」「○時間以上の停電」など、迷わず動ける基準にしておくのがコツです。初動は、安全確保・安否確認・状況把握の3つを軸にすると整理しやすくなります。

④ 連絡と体制(指揮・安否確認・連絡手段)

いざというとき、誰が指揮を執り、どうやって連絡を取り合うかを書きます。責任者と代理、安否確認の方法、電話がつながらないときの代替手段(メッセージアプリなど)まで決めておきます。在宅・分散時の連絡は「テレワーク時代のBCP、自宅勤務でも業務を止めない仕組み」もあわせてどうぞ。

⑤ 重要な資源とバックアップ

最後に、中核事業を支える重要な資源(人・データ・設備・取引先)と、そのバックアップ・代替手段を書きます。とくに重要データは、クラウドともう1か所に必ずバックアップを。ここが、いざというときに事業を戻せるかどうかの分かれ目になります。

1ページを「使える」ものにするコツ

1ページBCPは、作って終わりにせず、年に1回見直し、一度は試すことで、はじめて使えるものになります。訓練といっても、半日でも「発動してみる」だけで、足りないところがはっきりします。

ゼロから書くのが難しければ、公的な「型」を使いましょう。
中小企業庁の「中小企業BCP策定運用指針」には、そのまま使える様式が用意されています。さらに、「事業継続力強化計画」(国が認定する簡易な事前対策の計画)は、この1ページBCPを一歩進めた形として活用でき、認定を受けると税制・金融の優遇が受けられる場合があります。実際に申請・認定を受けた体験は「事業継続力強化計画の認定を取ってみた」で紹介しています。詳細・要件は記事末の参考リンクからご確認ください。

セルフチェック:最初の1ページ、書けますか?

□ 絶対に止めたくない「中核事業」を、1つに絞れますか?
□ 発動の基準と、最初の初動を決めていますか?
□ 重要データを、2か所以上にバックアップできていますか?

1つでも「いいえ」があれば、そこが最初の1ページで埋めるべき空白です。

まとめ:まず1ページ、そこから育てる

BCPは、完璧な計画書を目指すほど動けなくなります。まずは次の5つを、1枚に書いてみることから始めましょう。

  • 目的と、守る「中核事業」を1つ決める
  • 自社に起きやすい想定リスクを書く
  • 発動の基準と、最初の初動を決める
  • 連絡と体制(指揮・安否確認・連絡手段)を決める
  • 重要な資源とバックアップを書く(+年1回見直し、一度試す)

最初の1ページは、完璧でなくて構いません。まずは「うちの“いちばん止めたくない仕事”は何か」を書くところから始めてみてください。

1ページBCPの土台は、「中核事業が、どの機器・データ・つながりに支えられているか」を把握していることです。

SOLAMILUは、その土台となる「自社のIT環境の見える化」を支える仕組みです。

参考リンク(公式情報)

※リンク先は外部の公式サイトです(別タブで開きます)。様式・制度の要件・優遇内容は変わることがあるため、最新情報は各公式ページでご確認ください。

あわせて読みたい

BCP対策BCP対策とは?中小企業が今すぐ取り組むべき5つのステップ BCP対策災害時の業務継続、最小限の準備で最大の効果を出す方法 BCP対策事業継続力強化計画の認定を取ってみた|申請から認定まで

BCPの1ページ目の前に、まずは「見える化」から

「何を守るか」を決めるには、まず「自社に何があるか」を知ることが第一歩です。SOLAMILUなら、社内ネットワークとIT資産の見える化を無料で始められます。

無料でダウンロードする

この記事を書いた人

SOLAMILU編集部
名古屋発のITベンチャーとして、中小企業のネットワーク管理・セキュリティ・IT資産管理をやさしく解説しています。専門知識がなくても「自社のITの状態がわかる」状態づくりを応援します。

CONTACT US お気軽にお問合せください お問い合わせ・ご相談はこちら

お問い合わせ・ご相談はこちら
お気軽にお問合せください
電話でのお問合せはこちら

【受付時間】 月〜金 10:00〜17:00
( 土・日・祝日・弊社休業日を除く )

SOLAMILUをもっと知りたい方はこちら
top top