SCS評価制度、補助金の締切、WindowsのESU期限――この1〜2年、中小企業に関わるセキュリティの「制度と期限」が一気に増えました。個別のニュースを追いかけるのは大変なので、2026年後半から2027年までの主な予定を、1本のカレンダーにまとめます。ブックマークして、節目ごとに見返してください(この記事は毎年更新していく予定です)。
まず全体像――この1年で「3つの流れ」が動く
個々の日付の前に、大きな流れを押さえましょう。2026年後半から2027年にかけて動くのは、次の3つです。
①国の評価制度が始まる。経産省・IPAのSCS評価制度(「経産省SCS評価制度とは?中小企業への影響を解説」)は、2026年8月28日に基本規程などが公開され、いよいよ実装段階に入りました。評価用ガイド等が2026年度下期に公表され、2026年度末(2027年3月頃)の運用開始が予定されています。
②お金の支援に締切がある。デジタル化・AI導入補助金2026のセキュリティ対策推進枠(「中小企業のIT補助金、2026年度の活用方法」)は、公募回ごとに締切が設定されます。直近では1次締切が2026年9月29日。以降の回は確定し次第、公式サイトで公表されます。
③古いWindowsの「延命期限」が来る。Windows 10本体のサポートは2025年10月に終了済みで、いま社内に残っている端末は延長セキュリティ更新(ESU)などでの延命期間にあります。その法人向けESUの1年目が2026年10月13日に終了し、更新するかどうかの判断が必要になります。
【2026年後半】いま動くべき2つの締切
9月29日:補助金「セキュリティ対策推進枠」の1次締切
デジタル化・AI導入補助金2026のセキュリティ対策推進枠は、IPAの「サイバーセキュリティお助け隊サービス」の利用料などが補助対象です。1次締切は2026年9月29日(火)17時で、交付決定は11月9日の予定。間に合わない場合も、以降の公募回が随時公表されるので、あきらめずに公式サイトをチェックしてください(補助率や対象の詳細も同サイトで最新を確認)。
10月13日:Windows 10 法人向けESUの「1年目」が終わる
Windows 10のサポートは2025年10月14日に終了済みです。法人向けのESU(有償の延長セキュリティ更新)を使っている会社は、2026年10月13日で1年目が終了し、2年目を買うか、Windows 11への移行を完了させるかの判断になります。ESUは最長3年(2028年10月まで)ですが、費用は年々上がる設計です。
誤解しやすい注意点:「ESUが2027年まで延長された」のは個人向けだけです。2026年6月に発表された延長(2027年10月12日まで)は個人向けESUのみが対象で、会社のPCは対象外。「ニュースで延長と聞いたから大丈夫」と社内のWindows 10を放置しないようにしてください。そもそも、社内にWindows 10が何台残っているか即答できないなら、まずそこからです。
【2026年度下期〜2027年】3つの節目
- SCSの「評価用ガイド」等が公表される(2026年度下期)
2026年8月28日に公開された基本規程に続き、評価の実務に使うガイド類が2026年度下期に公表される予定です。★3以上を目指す会社(「SCS評価制度、対応コストを抑える3つのアプローチ」)は、このガイドの公表が準備本格化の合図になります。 - 「10大脅威 2027」が出る(2027年1月頃・毎年恒例)
IPAの10大脅威は毎年1月頃に公表されます。2026年版ではランサムウェアが1位、AI関連の脅威が初のランクインでした(「情報セキュリティ10大脅威2026、中小企業に関わる5つ」)。毎年この公表を「自社の対策の優先順位を見直す日」として恒例化するのがおすすめです。 - SCS評価制度の運用が始まる(2027年3月頃・予定)
2026年度末に運用開始が予定されています。制度が動き出せば、大手企業から取引先への要請(「取引先からセキュリティ対策を求められたら、どう答えるか」)にSCSの星の数が使われる場面が増えていくはずです。★1・★2はSECURITY ACTIONを活用する設計なので、開始を待たずに今日から動けます(「SCS評価制度、開始前にやっておく5つの準備」)。
カレンダーを「自社のやること」に変える4つ
- ①SECURITY ACTIONを宣言し、★1・★2の足場を作る。SCSの運用開始(2027年3月頃・予定)を待つ必要はありません。★1・★2はSECURITY ACTIONを活用する設計で、無料で今日から動けます。手順は「SCS評価制度、開始前にやっておく5つの準備」に。
- ②補助金は「次の公募回」を月1回チェックする。締切は公募回ごとに設定され、確定分から順次公表されます。月に1度、公式サイトを見る習慣にしておけば逃しません。
- ③社内のWindows 10を数える。10月13日の法人向けESU期限を前に、「何台残っているか」「ESU更新か、移行か」を決める。台数が分からなければ判断もできません。
- ④取引先からの要請に備えて、答え方を準備しておく。制度が動けば、チェックシートや星の要請は増えます。慌てないための考え方は「中小企業のサイバーセキュリティ義務化、何が変わるのか」と「取引先からセキュリティ対策を求められたら、どう答えるか」に。人手が足りない会社の回し方は「IT人材不足時代のセキュリティ運用、現実的な解」もどうぞ。
制度対応がうまい会社は、ニュースに詳しい会社ではなく、
「見る日」を決めている会社です。
まとめ:日付で覚える、この1年
- 2026年9月29日:補助金セキュリティ対策推進枠の1次締切(以降の回は随時公表)
- 2026年10月13日:Windows 10 法人向けESU 1年目終了。更新か移行かの判断を
- 2026年度下期:SCSの評価用ガイド等が公表予定。★3以上を目指すなら準備本格化の合図
- 2027年1月頃:IPA「10大脅威 2027」公表見込み。毎年の見直し日に
- 2027年3月頃:SCS評価制度の運用開始予定。★1・★2は開始前の今から動ける
- 2027年10月12日:個人向けESU終了(会社のPCは対象外なので混同しない)
そして、どの日付への対応にも共通する土台がひとつあります。「自社に何が、何台あるか」を知っていることです。Windows 10の残り台数も、補助金で導入する対策の範囲も、SCSのチェック項目への回答も、すべては現状把握から始まります。
カレンダーを実行に移すために、まずは社内のIT環境の見える化から始めましょう。
参考(公式情報)
※本記事の日付・スケジュールは2026年9月時点の公表情報にもとづきます。予定は変更されることがあるため、行動の前に必ず各公式サイトで最新の情報をご確認ください。
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