日中、目の前で使われている社員のパソコンなら、様子はある程度わかります。ですが、夜間・休日・離席中のパソコンで何が起きているかは、意外と見えていません。やっかいなことに、マルウェアは人が見ていない時間に動くこともあります。この記事では、社員PCの「業務外の見えない時間」に注目し、端末の動きを”後から追える”ようにする考え方を、監視ではなく「安全管理」の視点で解説します。
「業務外」に、見えないことが起きている
ここでいう「業務外」とは、社員が席を離れている時間や、夜間・休日など、誰も画面を見ていない時間帯のことです。この時間に、たとえば次のようなことが起きても、気づくのは難しいものです。
- マルウェアがバックグラウンドで動き、外部と通信している
- 誰かが無許可のソフトをインストールしている
- 退職者アカウントや、なりすましでの不審なログインが行われる
- USBや個人クラウドへ、データが持ち出される
いずれも、その瞬間に人が見ていなければ気づけません。そして「何が起きたか」の記録が残っていなければ、後から調べることもできない——ここが問題です。
なぜ「把握」が難しいのか
従来のウイルス対策ソフト(EPP)は、入口でウイルスを止めることを得意とします。しかし、防ぎきれずに侵入された後、端末の中で何が起きているかまでは、見えないことが多いのです。記録が残らなかったり、あちこちに散らばっていたりして、「後から追う」のが難しい——これが把握を妨げる大きな理由です。EPPとの違いは「EDRとEPP、何が違うのか」で詳しく解説しています。
「何が起きたか」を後から追える仕組み=EDR
そこで役立つのがEDR(Endpoint Detection and Response)です。EDRは、パソコンなどの端末で起きた動きを記録し、不審な挙動を検知して、可視化します。人が見ていない業務外の時間でも記録は残るため、「いつ・何が起きたか」を後から追えるようになります。
EDRそのものの基本は「EDRとは?アンチウイルスだけでは足りないを解説」、自社に合う選び方は「中小企業向けEDR、選定の5つのポイント」もあわせてご覧ください。
大切なのは「監視」ではなく「安全管理」
ここで強調しておきたいのが、この取り組みは社員を”監視”して生産性を測るためのものではない、という点です。目的は、マルウェアや不正アクセスといった脅威から、会社と社員の双方を守ることにあります。
よくある誤解:「端末の可視化=社員の監視」ではありません。
見るべきは「誰がサボっているか」ではなく、「危険な動きが起きていないか」です。導入するときは、目的・対象・扱う情報を社員に明示し、プライバシーに配慮したルールを決めておくことが大切です。安全管理という枠組みをはっきりさせることで、社員の納得も得られ、運用も続きます。
「守るための可視化」であることを、社内で共有しておきましょう。関連する考え方として「ゼロトラストセキュリティ、中小企業にも必要か」も参考になります。
まず把握するために、土台となること
端末の動きを見られるようにする前提として、まず「自社に、どんな端末が何台あるのか」を把握しておく必要があります。守る対象が分かっていなければ、可視化の範囲も決められません。
セルフチェック:業務外の”見えない時間”に備えられていますか?
□ 社員の端末(PC・サーバー)が何台あるか、把握できていますか?
□ 端末で「いつ・何が起きたか」を、後から確認できる仕組みがありますか?
□ 端末の可視化について、目的とルールを社員に説明できますか?
「いいえ」がある項目が、見えない時間のリスクが残るポイントです。
まとめ:見えない時間を、放置しない
社員PCの業務外は、長く、そして見えにくい時間です。次のことを意識しておきましょう。
- リスクは「人が見ていない時間」に起きやすいと知る
- 従来の入口対策だけでは、端末内の動きは見えにくい
- EDRで端末の動きを記録・可視化し、後から追えるようにする
- 監視ではなく「安全管理」として、目的とルールを明示する
- その前提として、自社の端末を見える化しておく
「見えていないから、起きていない」とは限りません。まずは、自社の端末で”何が起きているか”を見られる状態にしておくことが、安心につながります。
業務外の見えない時間に備える第一歩は、自社の端末を「見える化」して、守る対象をはっきりさせることです。
SOLAMILUは、その土台となる「自社のネットワーク・IT資産の見える化」を支える仕組みです。
参考リンク(公式情報)
※リンク先は外部の公式サイトです(別タブで開きます)。内容は更新されることがあるため、最新情報は各公式ページでご確認ください。端末の可視化を行う際は、労務・プライバシーの観点から社内ルールの整備もご検討ください。
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