「BCPは大事」——多くの中小企業の経営者が、そう感じています。それでも、いざ取り組もうとすると、なかなか前に進まない。実はそこには、中小企業ならではの“いくつかの壁”があります。
この記事では、中小企業のBCP対策が進まない「5つの壁」を整理し、それぞれをどう乗り越えるか、具体的なヒントをご紹介します。ポイントは、完璧を目指さず「小さく越える」ことです。
「必要なのは分かっている」のに、なぜ動けないのか
BCPの必要性を感じている企業は少なくありません。それでも実際の対策が進まないのは、「必要だと思う気持ち」と「実際の行動」の間に、大きなギャップがあるからです。
このギャップは、やる気や意識だけの問題ではありません。中小企業特有の事情から生まれる、具体的な「壁」が存在します。まずは、その正体を知ることから始めましょう。
BCP対策が進まない「5つの壁」
中小企業のBCP対策を止めているのは、主に次の5つの壁です。それぞれに、越えるためのヒントがあります。
壁1:「自社は大丈夫」という思い込み
「うちは災害に遭わない」「大きなトラブルは起きない」——そう感じると、対策の優先度は上がりません。しかし、BCPが備えるのは災害だけではありません。停電、サーバーの故障、主要な担当者の急な退職など、規模の小さなトラブルこそ日常的に起こり得ます。身近なリスクから考えると、ぐっと自分ごとになります。
実際、私たちが頼っている通信インフラそのものも、「絶対に止まらない」わけではありません。総務省のデータを見てみましょう。
通信障害は「自社の外」でも起きている ── 総務省データ
原因は、自然災害だけではありません。設備の故障、工事中の事故、ケーブルの断線など、さまざまです。
出典:総務省「令和7年版 情報通信白書」(2023年度の電気通信事故報告にもとづく)
これらは、自社がどれだけ気をつけても防ぎきれないトラブルです。だからこそ「自社は大丈夫」ではなく、「いつ起きてもおかしくない」を前提に備えておくことが、BCPの出発点になります。
壁2:「何から始めるか分からない」
立派なBCPを最初から作ろうとすると、その分量に圧倒されて動けなくなります。最初の一歩は、「連絡網」と「止められない業務のリスト」を1枚ずつ作るだけで十分です。完成形ではなく、たたき台から始めましょう。
壁3:「時間も人もない」
日々の業務で手一杯の中小企業にとって、BCP作成はどうしても後回しになりがちです。だからこそ、一度に完璧を目指さないこと。年に1回、少しずつ見直して育てるくらいのペースで十分です。公的なテンプレートを使えば、ゼロから作る負担も減らせます。
壁4:「作って終わり」になる
せっかく作ったBCPも、引き出しにしまったままでは意味がありません。いざという時に使えるよう、簡単な訓練と定期的な見直しを習慣にすること。担当者と見直しの期日を決めておくと、形骸化を防げます。
壁5:「自社の現状が見えない」
そして、すべての土台になるのがこの壁です。何を・どこまで守るべきかは、自社に今どんな機器や業務があり、どんな状態かが見えていなければ決められません。逆に、現状が「見える化」できていれば、優先順位も必要な備えも、ぐっと考えやすくなります。
壁を越える出発点は、気合いではなく「現状の把握」です。
まとめ:壁は「小さく」越えられる
5つの壁に共通するのは、「完璧にやろうとして、動けなくなる」ことです。逆に言えば、小さく始めれば、どの壁も越えられます。まずは次の3つから始めてみてください。
- 身近なリスクを1つ、書き出してみる
- 連絡網と「止められない業務」を1枚にまとめる
- 自社のIT・業務の現状を「見える化」する
特に3つ目の「現状の見える化」は、ほかのすべての土台になります。自社に何があり、今どんな状態か。そこが見えていれば、BCPづくりは驚くほど進めやすくなります。
BCP対策の第一歩は、立派な計画書をつくることではなく、自社の現状を「見える化」して、守るべきものを知ることです。
SOLAMILUは、その一歩を支える仕組みです。
参考リンク(公式情報)
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