

知覚セキュリティとは
知覚による新たなセキュリティ概念の提唱 〜パーセプチュアル・セキュリティの実装と展望〜
(セキュリティは“気づき”からはじまる)
—— SOLAMILUが提唱する「パーセプチュアル・セキュリティ」という新しい概念
◆はじめに:既存のセキュリティ階層を超えて
現代のデジタル社会において、情報セキュリティは企業・自治体・教育機関などあらゆる組織の持続的運営に不可欠な要素です。
従来より、セキュリティは以下の7階層に分類され、各階層において多層防御(Defense in Depth)を構築することが推奨されてきました。
1)物理セキュリティ(建物や設備、鍵・出入口管理)
2)ネットワークセキュリティ(通信の暗号化やファイアウォール)
3)システムセキュリティ(OSやUTM、サーバーの保守管理)
4)アプリケーションセキュリティ(アプリの脆弱性対策)
5)エンドポイントセキュリティ(PC・スマホ・IoT機器の管理)
6)データセキュリティ(ファイル・DB・クラウドデータの保護)
7)人的セキュリティ(従業員教育やポリシー周知)
この体系は、ISO/IECやNISTといった国際的な標準にも準拠しており、多くの企業や行政機関で採用されています。
しかし、私たちSOLAMILUはこの7階層の中に、もう一つ加えるべき視点があると感じています。
それが、「気づき」です。
◆「気づけなかった」が生むセキュリティの限界
どれほど堅牢なセキュリティ対策を講じても、現場で起こる事故の多くは「気づかなかったこと」に起因しています。設定ミスやデバイスの異常、外部からの不正アクセス。これらの初期兆候は、**必ずどこかに“出ている”**のです。
ではなぜ、気づけないのか?それは、多くのセキュリティ対策が「防御に偏っている」からです。
高度なログ分析やAIによる脅威検知、クラウド上の設定監査など、裏側では高度な処理が行われていますが、それが現場の担当者や利用者に伝わらなければ意味がありません。
つまり、「見ること」と「わかること」のあいだに深い断絶があるのです。
◆新しいセキュリティの構造:「知覚」への転換
ここで、SOLAMILUが提唱するのが「パーセプチュアル・セキュリティ(Perceptual Security)」です。
語源と定義
※「Perceptual(パーセプチュアル)」とは、英語の“perceive(知覚する、気づく)”に由来します。視覚・聴覚・直感といった人間の感覚を通じて、「異常」を“感じ取る”力を意味します。
私たちはこの概念を、次のように定義します。
※パーセプチュアル・セキュリティとは、ネットワークや情報の状態を“視覚的・直感的”に可視化し、利用者自身が異常やリスクを“感じ取り”、自ら判断・行動を起こせる状態をつくるセキュリティの新しい考え方です。
SOLAMILUではこの考え方を実現するために、ネットワークの状態を色と構造で可視化する特許技術(特許第7572023号)を中核に据えています。機器ごとの通信状態を、「赤(異常)・青(正常)・黄(警告)・グレー(不明)」などの色で表現し、誰でも一目で「気づける」世界を創ります。
◆例え話:7階建てビルの中で起こる異常に、空から気づくということ
セキュリティ対策をいくら整備しても、現場では「気づけなかった」ことがリスクの引き金になります。
ここでは、企業のセキュリティ体制を“7階建てのビル”に例えて、SOLAMILUが提唱する「知覚セキュリティ(パーセプチュアル・セキュリティ)」の本質をご紹介します。
私たちは、各フロアの機能を補完する「もう1階」を積み重ねるのではなく、ビル全体を“上空から見渡せる仕組み”そのものを設計するという視点を持っています。
1階|警備員が居眠り中(物理セキュリティ)
SOLAMILUなら、アラートで即時通知し、現場での素早い対応を促します。
2階|監視カメラが停止(ネットワークセキュリティ)
SOLAMILUなら、トラフィックの低下を色で表示し、直感的な異常検知が可能です。
3階|UTMの通信が遮断(システムセキュリティ)
SOLAMILUなら、通信の断絶をグレー表示で明確に可視化し、即座の対応を可能にします。
4階|セキュリティソフトの導入状況が不明(アプリケーションセキュリティ)
SOLAMILUなら、セキュリティソフトの有無を利用者が即座に認識できます。
5階|不明なスマホが接続(エンドポイントセキュリティ)
SOLAMILUなら、ネットワーク内の全端末を一覧で表示し、不審端末を強調します。
6階|資産情報が登録されていない(データセキュリティ)
SOLAMILUなら、資産管理台帳と照合し、未登録の端末や情報を警告で通知します。
7階|ネットワーク構成を誤認識(人的セキュリティ)
SOLAMILUなら、構成図をアイコン化して可視化し、利用者の理解と行動を支援します。
そして、そのすべてのフロアを空から一望し、状況を“知覚”する仕組みこそが、SOLAMILUの知覚セキュリティです。
私たちのアプローチは、1階ごとのセキュリティ強化ではなく、“俯瞰的な可視化”によって、気づきを加えるという新しい観点です。
それにより、「どこで、何が、どう問題なのか」を専門知識なしでも判断できるようになります。
知覚セキュリティとは、防御を重ねるのではなく、気づく視点を重ねるセキュリティ。
SOLAMILUは、この新しい考え方をすべての組織に届けるべく、社会に提言してまいります。
◆技術の本質:視覚インターフェースによる“理解”の橋渡し
SOLAMILUが開発したビジュアルネットワーク可視化システムは、従来のように数値とコードによるモニタリングではなく、「見てすぐにわかる」ことにこだわりました。
そのための手段として:
色分けされたアイコン群(全24種)
リアルタイム通信状況の変化をアニメーションで反映
警告・注意・正常を直感的に判別できるインターフェース
を採用しています。
これにより、IT部門の専門職だけでなく、営業、総務、現場スタッフなど誰もが「ネットワークの今」を把握できる状態が生まれます。
この状態こそが、「知覚セキュリティ」の実装された組織なのです。
◆社会の変化と「気づけるセキュリティ」
現在、私たちはリモートワーク、IoT、クラウドシフトなど、分散型社会へと大きく変化しています。
管理者が一元的に全てを把握することは不可能に近く、「現場の誰もが気づける」仕組みが、次のセキュリティのカギを握ると私たちは考えます。
◆株主・ステークホルダーの皆さまへ
SOLAMILUが挑戦しているのは、単なるアプリケーションの開発ではありません。
私たちは、「情報社会における気づき」という人間の本質的な能力を、セキュリティという領域に再導入しようとしています。
そのために、SOLAMILUは以下のような展開を計画しています:
全国のOA機器販売店を通じたtoB展開
イベント向けアプリ「SOLAMILU App」によるtoC展開
セキュリティ可視化の標準化に向けた学術連携
知覚セキュリティの社会啓発
すべての人が「気づける社会」、すべての組織が「見えるインフラ」を持てる社会。
これが、私たちSOLAMILUの描く未来です。
そしてその中心にあるのが、「知覚セキュリティ(パーセプチュアル・セキュリティ)」という、新しい概念です。
◆結語
セキュリティは、気づきからはじめる。
この一言は、技術でもポリシーでもなく、人間の根源的な力に根ざした思想です。
私たちSOLAMILUは、色で、構造で、空から俯瞰する力で、
新しいセキュリティの時代を、皆様と共に切り拓いてまいります。
どうか、この知覚的革命の旅に、これからも伴走いただけましたら幸いです。
—— SOLAMILU 株式会社