SPLAMILU BLOG ソラミルブログ

2025年4月18日
知覚による新たなセキュリティ概念の提唱

知覚セキュリティとは

知覚による新たなセキュリティ概念の提唱 〜パーセプチュアル・セキュリティの実装と展望〜

(セキュリティは“気づき”からはじまる)

—— SOLAMILUが提唱する「パーセプチュアル・セキュリティ」という新しい概念

◆はじめに:既存のセキュリティ階層を超えて

現代のデジタル社会において、情報セキュリティは企業・自治体・教育機関などあらゆる組織の持続的運営に不可欠な要素です。

従来より、セキュリティは以下の7階層に分類され、各階層において多層防御(Defense in Depth)を構築することが推奨されてきました。

1)物理セキュリティ(建物や設備、鍵・出入口管理)

2)ネットワークセキュリティ(通信の暗号化やファイアウォール)

3)システムセキュリティ(OSやUTM、サーバーの保守管理)

4)アプリケーションセキュリティ(アプリの脆弱性対策)

5)エンドポイントセキュリティ(PC・スマホ・IoT機器の管理)

6)データセキュリティ(ファイル・DB・クラウドデータの保護)

7)人的セキュリティ(従業員教育やポリシー周知)

この体系は、ISO/IECやNISTといった国際的な標準にも準拠しており、多くの企業や行政機関で採用されています。

しかし、私たちSOLAMILUはこの7階層の中に、もう一つ加えるべき視点があると感じています。

それが、「気づき」です。

◆「気づけなかった」が生むセキュリティの限界

どれほど堅牢なセキュリティ対策を講じても、現場で起こる事故の多くは「気づかなかったこと」に起因しています。設定ミスやデバイスの異常、外部からの不正アクセス。これらの初期兆候は、**必ずどこかに“出ている”**のです。

ではなぜ、気づけないのか?それは、多くのセキュリティ対策が「防御に偏っている」からです。

高度なログ分析やAIによる脅威検知、クラウド上の設定監査など、裏側では高度な処理が行われていますが、それが現場の担当者や利用者に伝わらなければ意味がありません

つまり、「見ること」と「わかること」のあいだに深い断絶があるのです。

◆新しいセキュリティの構造:「知覚」への転換

ここで、SOLAMILUが提唱するのが「パーセプチュアル・セキュリティ(Perceptual Security)」です。

語源と定義

※「Perceptual(パーセプチュアル)」とは、英語の“perceive(知覚する、気づく)”に由来します。視覚・聴覚・直感といった人間の感覚を通じて、「異常」を“感じ取る”力を意味します。

私たちはこの概念を、次のように定義します。

※パーセプチュアル・セキュリティとは、ネットワークや情報の状態を“視覚的・直感的”に可視化し、利用者自身が異常やリスクを“感じ取り”、自ら判断・行動を起こせる状態をつくるセキュリティの新しい考え方です。

SOLAMILUではこの考え方を実現するために、ネットワークの状態を色と構造で可視化する特許技術(特許第7572023号)を中核に据えています。機器ごとの通信状態を、「赤(異常)・青(正常)・黄(警告)・グレー(不明)」などの色で表現し、誰でも一目で「気づける」世界を創ります。

◆例え話:7階建てビルの中で起こる異常に、空から気づくということ

セキュリティ対策をいくら整備しても、現場では「気づけなかった」ことがリスクの引き金になります。
ここでは、企業のセキュリティ体制を“7階建てのビル”に例えて、SOLAMILUが提唱する「知覚セキュリティ(パーセプチュアル・セキュリティ)」の本質をご紹介します。
私たちは、各フロアの機能を補完する「もう1階」を積み重ねるのではなく、ビル全体を上空から見渡せる仕組みそのものを設計するという視点を持っています。

1階|警備員が居眠り中(物理セキュリティ)
SOLAMILUなら、アラートで即時通知し、現場での素早い対応を促します。

2階|監視カメラが停止(ネットワークセキュリティ)
SOLAMILUなら、トラフィックの低下を色で表示し、直感的な異常検知が可能です。

3階|UTMの通信が遮断(システムセキュリティ)
SOLAMILUなら、通信の断絶をグレー表示で明確に可視化し、即座の対応を可能にします。

4階|セキュリティソフトの導入状況が不明(アプリケーションセキュリティ)
SOLAMILUなら、セキュリティソフトの有無を利用者が即座に認識できます。

5階|不明なスマホが接続(エンドポイントセキュリティ)
SOLAMILUなら、ネットワーク内の全端末を一覧で表示し、不審端末を強調します。

6階|資産情報が登録されていない(データセキュリティ)
SOLAMILUなら、資産管理台帳と照合し、未登録の端末や情報を警告で通知します。

7階|ネットワーク構成を誤認識(人的セキュリティ)
SOLAMILUなら、構成図をアイコン化して可視化し、利用者の理解と行動を支援します。

そして、そのすべてのフロアを空から一望し、状況を“知覚”する仕組みこそが、SOLAMILUの知覚セキュリティです。

私たちのアプローチは、1階ごとのセキュリティ強化ではなく、“俯瞰的な可視化”によって、気づきを加えるという新しい観点です。
それにより、「どこで、何が、どう問題なのか」を専門知識なしでも判断できるようになります。

知覚セキュリティとは、防御を重ねるのではなく、気づく視点を重ねるセキュリティ。
SOLAMILUは、この新しい考え方をすべての組織に届けるべく、社会に提言してまいります。

◆技術の本質:視覚インターフェースによる“理解”の橋渡し

SOLAMILUが開発したビジュアルネットワーク可視化システムは、従来のように数値とコードによるモニタリングではなく、「見てすぐにわかる」ことにこだわりました。

そのための手段として:

色分けされたアイコン群(全24種)

リアルタイム通信状況の変化をアニメーションで反映

警告・注意・正常を直感的に判別できるインターフェース

を採用しています。

これにより、IT部門の専門職だけでなく、営業、総務、現場スタッフなど誰もが「ネットワークの今」を把握できる状態が生まれます。

この状態こそが、「知覚セキュリティ」の実装された組織なのです。

◆社会の変化と「気づけるセキュリティ」

現在、私たちはリモートワーク、IoT、クラウドシフトなど、分散型社会へと大きく変化しています。

管理者が一元的に全てを把握することは不可能に近く、「現場の誰もが気づける」仕組みが、次のセキュリティのカギを握ると私たちは考えます。

◆株主・ステークホルダーの皆さまへ

SOLAMILUが挑戦しているのは、単なるアプリケーションの開発ではありません。
私たちは、「情報社会における気づき」という人間の本質的な能力を、セキュリティという領域に再導入しようとしています。

そのために、SOLAMILUは以下のような展開を計画しています:

全国のOA機器販売店を通じたtoB展開

イベント向けアプリ「SOLAMILU App」によるtoC展開

セキュリティ可視化の標準化に向けた学術連携

知覚セキュリティの社会啓発

すべての人が「気づける社会」、すべての組織が「見えるインフラ」を持てる社会。

これが、私たちSOLAMILUの描く未来です。
そしてその中心にあるのが、知覚セキュリティ(パーセプチュアル・セキュリティ)」という、新しい概念です。

◆結語

セキュリティは、気づきからはじめる。


この一言は、技術でもポリシーでもなく、人間の根源的な力に根ざした思想です。

私たちSOLAMILUは、色で、構造で、空から俯瞰する力で、
新しいセキュリティの時代を、皆様と共に切り拓いてまいります。

どうか、この知覚的革命の旅に、これからも伴走いただけましたら幸いです。

—— SOLAMILU 株式会社